西新井 彫真_Horishin

西新井 彫真_Horishin ✕ 地方創生ユニオン

 
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〘自己紹介〙 初めまして、彫師の西新井 彫真(ほりしん)と申します。1985年生まれの38歳、埼玉県入間郡毛呂山町出身で、現在は東京都足立区西新井と青森県青森市をだいたい2週間ずつ行き来する生活をしていますが、青森に通い出して1年10ヶ月ほどです。それ以前に青森へ来たことは一度もありませんでした。
〘刺青との出会い〙 私の家は祖父の代からの自営業家庭で、自分が長男で妹ひとりの一般的な四人家族です。小学生から高校生まで野球部に属しており、ちょうど高校生の頃から父親の影響で音楽に興味を持ち、高校卒業後に東京の音楽専門学校に入学するため上京し、ドラムを学びました。その後はバンド活動をしつつ、20歳の頃に西洋のタトゥーを身体に彫りたいと思い立ち、任侠映画が好きだったので本格的な日本の伝統刺青を彫ろうと、世界的に有名な浅草の彫師の先生のもとへお願いに伺いました。そこで本格的な刺青というのはヤクザや不良というより、昔から下町の職人が好んで彫っていたという事を知りました。江戸文化=刺青(彫りもの)という文化としての刺青の価値に興味を持ち、浅草の先生に弟子入りをお願いすると共に浅草に住居を移しました。結果的に2007年、2012年、2021年の3回にわたり弟子入りのお願いを全て断られているので、正式には弟子入り出来ていません。ですが、事あるたびに絵を見て頂いたり勉強しに伺ったりと関係は続いており、今に至ります。
〘出身地の魅力〙 出身地埼玉県の魅力と言うと、人口が多いことでしょうか。人口が多いので需要と供給の観点から多種多様な仕事も生まれやすいと思いますし、エンタメ的にもスーパーアリーナや、野球チーム、サッカーチーム等、県外に行かずとも県内で欲求を満たせる部分が多いです。 これらは青森県という地方に住むようになってから、肌で実感した事です。
〘在住地の魅力〙 青森県の魅力は「人の優しさ」だと思います。関東と比べて非常に素朴な生活環境で、キャッシュレス決済も難しかったり公共交通機関も不便だったりしますが、そのかわり人とのやり取りを通じて会話が生まれたりといった牧歌的な風景が非常に懐かしく感じます。あと彫師として「ねぶた祭り」は本当におすすめします。私は20代を全て東京浅草で過ごしましたが、祭りのパワーとしては浅草の三社祭より、断然青森のねぶた祭りが感動しました。地元の人間だけで作り上げている祭りであることが理由だと思います。
〘地域活性化の為にやってみたい事〙 例えば自分が青森県で有名な彫師になれたら近隣の県からもお客様が来てくれるかもしれません。ただ刺青を彫るというのは一対一の仕事であり、複数人を一気に呼び込めるような仕事ではないので、青森県の経済を活性化させるような大それた事は出来ないかもしれませんが、粋な江戸文化の“カッコ良さ″を地域文化の中に提供していけたらと思います。ただし当然のこととして、人様にご迷惑をかけるような事があってはいけませんので、そこを履き違えないで判断出来る人だと納得出来た相手にしか刺青を入れないと決めています。